urknn6b7`s blog

周防桃子、天空橋朋花、エミリー、Charlotte・Charlotte @urknn6b7

Brand New Songと天空橋朋花

アイドルマスターミリオンライブ!のコミカライズBrand New Songについての単行本未収録部分を含む内容になります。

 

Brand New Song、通称BNSはima先生による百合子、桃子、このみの3人のユニットを主軸にしたコミカライズです。非常に表現が繊細でキャラクターへの理解が深く、全ミリPに読んでほしい傑作です。単行本全2巻発売中、Febriで隔月連載中。

 

そんなBNSではここ四回にわたって百合子たちメインの話から離れた番外編が進行していました。今回はその話における天空橋朋花に焦点を当てて書いていこうと思います。

前述の通り単行本未収録部分のネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

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さて、BNSにおいて朋花が初登場するのは10話、第4公演のメンバーとしてまつりと共にソロ曲を披露するとのことでFleurSの3人のところに現れます。そして、本当は一緒にデビューするはずだった美也はエレナと出演した清涼飲料水のCMのヒットによって劇場での活動の時間が取りにくくなり、ソロ曲披露が遅れてしまうことになったことを明かします。

その後のまつりと朋花が二人で歩くシーンで、朋花はまつりにこう言います。

「私はむしろ桃子ちゃんたちがすこしうらやましく感じてしまいました」

美也の事情による朋花たちの現状とFleurSの順調なユニット活動を比べてつい不安が漏れてしまったのでしょう。このシーンでまつりの言う通り、いかにも聖母らしくない発言です。ですが、私はこの発言にこそ朋花らしさが表れていると思うのです。朋花はファン全員に聖母として崇められる存在として君臨するアイドルですが、同時に15歳の少女でもあります。ファンを第一に考える聖母らしさが朋花を語る上で欠かせない点ですが、15歳としての幼さの片鱗の残る性格もまた朋花にとって大事なポイントなのです。不満のある状況において年上の19歳で仲のいいまつりと二人きりの時につい本音を漏らすというわかりにくい可愛らしさこそが朋花の魅力の一つだと思います。

 

続いて11話でも朋花を語る上において重要な要素が多く出てきます。

プロデューサーだけに見せる、理想のプロデューサーであってほしいという独占にも似た厳しさ。

団結を深めるFleurSに意味ありげな視線を向け、またまつりにだけ漏らすユニット活動への羨望。

そして、BNS世界線での朋花の最初のソロ曲『Sister』のライブシーンです。朋花の歌唱中にプロデューサーと朋花の回想シーンが挟まれます。「この歌詞を綴ってくれた方はきっと私のことをよく知りよく想ってくれているんですね~」などの小ネタも挟みつつ、朋花の考える幸せとは『子豚ちゃんたちの愛の声によって朋花自身が聖母たることができ、朋花の愛により子豚ちゃんたちの生きる糧となる愛の輪を描くこと』であるという朋花がステージに立ち続ける理由の根幹がサラリと語られます。ミリシタ内のメインコミュでもあった通り朋花はすべての子豚ちゃんたちに愛を与えることを目標としていますが同時に彼女は聖母であろうとする15歳であり、逆に子豚ちゃんたちによってアイドル天空橋朋花像は成り立っているという鏡の裏の事実もまた朋花の重要なピースです。いやこのくだりをサラッと書き上げるima先生ナニモン??ってなるマジで。

そして回想は明け、Sisterのライブシーンでとある歌詞が抜かれます。

 

『願い事叶うなら 私だけに騙されて』

 

『Sister』に限らず朋花の楽曲は歌唱時以外の本人の雰囲気とはまた少し変わって、一貫したダークでゴシックな雰囲気を纏っています。この雰囲気こそが朋花の強さと弱さの二面性を引き立て、15歳という少女に落ちた陰の危うさという彼女のアイドルの魅力を強調しています。何よりも子豚ちゃんたちに見せる彼女の聖母としての姿の、聖母の鳥籠に囚われたかのような感覚に陥ってしまう、背徳的で束縛的な魅力が彼女のソロ曲には詰まっています。『Sister』のこの歌詞は子豚ちゃんたちと天空騎士団を掴んで離さない朋花の求心力が表れた大好きな歌詞です。この歌詞を選んでくださってありがとうima先生。

 

そして12話です

いや12話、、、、、、、、、、、、、、、

12話、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

内容に詳しく突っ込むととんでもないことになるので朋花にだけ注目していきます。

 

茶店のシーン、エレナの隠しごとを見抜いた後朋花は「おふたりがどんな道を選んでも受け入れる準備ができている」と葛藤するエレナのことを想った発言をします。ですが美也がプロデューサーに電話をして「エレナさんとのデュオは組みません」と告げた次のカット、朋花の表情。どう見ても「受け入れる準備ができていた」表情ではありません。10話、11話での反応を見ての通り朋花は美也とまつりとの活動を誰よりも楽しみにしており、それでいて美也とエレナの絆も知ってしまっていたからこそ自分ではどうしようもなく、美也に決断をさせてしまったことへの申し訳なさが詰まった葛藤の煮詰まった表情をするほかありませんでした。15歳が抱えるには余りにも重い状況です。

ですが、17歳のお姉さんの「笑顔のバトンをみんなで繋げる」ひとことでその顔は明るく晴れることになるのでした。

 

そして最新話の13話です。

朋花はずーーーーーーーーーーーーっとニコニコしてます。冗談抜きにどのコマでもめちゃめちゃニコニコしてます。美也、エレナ、朋花、まつりの4人のユニット『アトリエル・シエル』が無事結成されハッピーにスタートラインに並ぶことができて、本当にうれしかったのでしょう。朋花も美也もエレナもまつりも、みんなで幸せになることを重んじるアイドルです。そんな彼女たちが思い合って結び合った結果が幸せなものになって本当に良かったです。13話を読んで空色のグレイトフルブルーを着た4人でWelcome!!を踊らせて感極まらない人いないと思う。

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ごめん桃子

 

最後に、番外編にもかかわらずわたしの担当アイドル天空橋朋花が中心の一人となる物語を丁寧に描いてくださって本当にありがとうございました。今回は朋花に注目して書きましたが、各回の終わりに書かれているアイドル説明の要素のほとんどが全アイドルについて作中で拾われていることに驚かされます。ミリオンライブ!のアイドルは多層的な魅力を持っており、その魅力を引き出してアウトプットしつつストーリーを成り立たせる技量には感服の限りです。

アトリエル・シエルの物語はここで一旦区切りになりますが、もう一人の担当アイドル周防桃子のメインの話としてもこれからもBrand New Songを応援していこうと思います。

 

追記

13話で百合子の着信履歴に桃子がめちゃくちゃ多いのがとても好きです。FleurSの中の桃子は段々と百合子やこのみさんに甘えられるようになってはしゃいでいる姿が非常にかわいいです。FleurSの着ぐるみ風船お渡し会とかいう神イベどこでやってますかうさぎ着ぐるみ桃子かわいい参加します